Hawaii Diary



Kawaihae

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2006年9月1日 (金)  快晴の夜に

午前中はセクハラトレーニング。いまいちな内容。パワーハラスメントはどこへ訴えればいいの?

明日の観測の打ち合わせをしてから高所順応でハレポへ。ここ数日は天気がよく、夕陽に照らされた雲ひとつ
ないマウナケアを眺めながらヒロを出て、ハレポに着くころは月光に照らされたマウナケアを眺める。うっとり。。。
夕飯を食べてから、夜中頃に今夜の観測を見学に行きました。アリゾナ大のE上さんといろいろお話しをしました。
山頂への道中の未舗装道路からは遠くにボルケーノのマグマの赤い点々が見えました。本当にうっとりする夜景。

2006年9月2日 (土)  観測

今夜も完璧な快晴。シーイングも良く観測も順調、順調。
星の観測に初めてつきあったのですが、やはり銀河の観測とは観測方法や考え方が違うところがたくさん
あってとても勉強になりました。しかも視野いっぱいに広がるような星生成領域は短い露出でも美しい画像が
でてきて面白い。
(ふだん観測している銀河は露出20時間分を足し合わせてもほとんど見えないような天体ばかりなので、
撮っているときの一枚の画像には何にも写っていないから観測中はあまり面白くないのです。)



2006年9月3日 (日)  MOS初共同利用

観測明け、3時間だけ休んで朝10時半にはチェックアウト。今夜はMOS分光モードの初の共同利用夜
ということで、数日前のトラブル対処のために昼にコーハイ君と山へ上がる。意外と簡単に問題が解決した
ので15時には下山。共同観測者をハレポで拾ってそのままヒロ空港へ送りに行く。家に帰ってほっと一息
してから、オフィスへ行ってテレコンで観測の様子を拝見。

と思ったら、昼に直したばかりのところがまたもやトラブっていてがっくり。なんとかしなきゃ、と
思っていた矢先に、今度はガンマ線バーストの突発天体の割り込み観測が入る。
夜中のMOS観測再開に向けてトラブル対処と観測サポートのために再び山に上がる。あんまり大きな声では
言えないけど、ヒロから山頂まで50分で到着。同乗者がいたらこのタイムは無理だろうな。消耗するし。。。

結局、初のMOS共同利用観測を現場で見守ることになって、むしろ安心。観測者はおしゃべり仲間の
O朝姉さん。そして一発目のMOSは67天体同時分光。エンジニアリングでは一度に30天体くらいまで
しか撮ったことがなかったけど、姉さんが根性で詰め込んだMOS分光画像は圧巻。。。可視のMOS装置
の画像を見ているようでした。
案の定トラブルはいっぱい起きたけど、致命的なものはなく、観測はなんとか進む。仮眠をとりながら
結局朝の7時過ぎに下山。快晴のヒロ湾の朝の眺めが素晴らしくて、徹夜も報われた感じ。

あとO朝姉さんが持ってきてくれた神戸ケーニヒスクローネの抹茶アルテナ、涙がでるほどおいしかった〜(^0^)

2006年9月4日 (月)  旧友との再会

今日はレイバーデイで祝日。
睡眠が全然足りないうえに、いろんな締切に追われている。

そんな中、中学の同級生姉妹が今コナに旅行で来ていて今日アメリカ本土に帰るので会えないか、
というメールがゆうべ突然届いた。
せっかくなので、朝、山から戻って休まずそのままコナへ出向く。おにいさんも同伴。
15年ぶりくらいで再会。サンフランシスコで働く姉と、ボストンで研究中の妹とその友人。
うち3名が母校出身。マウナラニベイの海に面したカフェでひたすらおしゃべりランチ。楽しかったー。

 #ところで、これまでハワイ島に会いに来てくれた友人・身内はのべ50人を超えました。

ここ一週間は、次々と旧友に会ったり新しい人に会ったり、あちこち電話したり、何度も山に上がったり、
観測したり、予定していなかったこともどんどん起こって、楽しいけどほとんどオフィスに座っている暇がなかったな。

夜はヒロから観測を見守る。なんとかうまく進んでいる様子。

2006年9月5日 (火)  おまけ

スターバックスのプリペイドカードに、ご愛顧感謝キャンペーンか何かで$15のチャージが自動追加
されていた。気前いいなー。$15といえば、ラテを4回くらい飲めます。

2006年9月7日 (木)  ぷちっ

朝方4時過ぎまで頑張ったあげく、他のプロポーザルに吸収されました。。。
なんか釈然としないけど、まあ、協力して時間を取ってくることが最優先ということでここはガマン。
プロポーザルを出すときが一番勉強する気がするので、応募することに意義があるのだ。(いや、時間
取れないと意味ないんだけどね。)
チームお得意の春シーズンのプロポーザルなだけに、まわりも頑張って出していました。
一つでも多く当たりますように。(といっても抽選じゃないよ。)

2006年9月9日 (土)  

2週間ぶりのお休みで朝は起きられませんでした。途中で何度もきおくそうしつになりました。

夜は日本から来ている装置開発の大先輩方と将来の装置開発について少し相談をしました。なんかこう
もっと画期的な策はないもんかな。。。

2006年9月10日 (日)  新カフェ

イミロア天文センターのカフェがいよいよ今週からオープンということで、キッチンの裏側ツアーへの
招待券をもらったので、行ってみました。
ガラス張りの円形のカフェは海に面していて眺めが良く、キッチンの中は全てが新品のぴかぴかの
ステンレス製。メニューはキャッチ・オブ・ザ・デイ(市場価格)の高めのものから、惑星やハワイ語の
名前のついた軽食までいろいろ予定されていました。ちゃんとシェフもいました。
モンスタークッキーという巨大なクッキーとアイスティーがふるまわれて、席に座って一服しました。
営業が夕方3時までというのがちょっと残念だけど、お客さんが来たときなんてちょうどいいかもしれません。
微妙な場所と価格なだけに、どれくらい維持できるかが心配です。



2006年9月12日 (火)  すばるセミナー

今日の分は少しほとぼりの冷めた数日後に書いています。

今日は「すばるセミナー」というセミナーでトークをしました。英語で。そう、英語で。
すばるセミナーというのは、すばるを代表するセミナーで、基本的には英語で行います。観測に来た人や
すばるを使って研究している人などが、すばるでの成果を講演します。今回はすばるで学位をとったという
ことで指名されたので、開発した分光装置の話をすることになりました。

ところで、セミナーの予告は近隣研究所に周知されます。近隣といっても、同じ通りにあるジェミナイ望遠鏡
などの6研究所などのみならず、ワイメアのケック望遠鏡など、さらにオアフ島マノアのハワイ大学まで、
マウナケアに望遠鏡がある研究所には告知されます。遠方の人はテレビ会議でつなぎます(めったにないけど)。
セミナーはたいてい、興味のある10〜15人前後が集まって、日本人しか集まらなければ日本語で
やったりもします。装置の講演はめったにないしサイエンスではないからどうせ面白くないので、
極力、人が集まらないように(それで日本語でできるように)なるべく素っ気ないアブストラクトを書いて
予告したのですが、、、。

一週間前に予告を流した直後に、テレビ接続のリクエストが2件(ケックとハワイ大から)。この時点で
日本語でやれるかもという淡い期待が絶望に。。。その後、ワイメアのCFH(カナダ・フランス・ハワイ)望遠鏡からは、
別の日にこっちへ来て同じトークをやってくれリクエストが。うれかなしい悲鳴。うれ:かなしい=1:9。
そんなこんなで学位審査より100倍も気が重いトークになりました。この半年でいろいろデータも
よくなったので、学位審査のトラペをさらに改良しました。

で、当日の今日は、まあ大盛況でした。すばるにも、テレビの向こうにも、ずいぶんたくさん集まって
くださって、へなへな英語ですみませんでした。英語のトークはやっぱり場数を踏まないとダメだなぁ
と改めて思いました。質問に答えられなくてまわりの人にたくさんフォローしてもらいました。
直後の落ち込みから立ち直るのにちょっと時間がかかりました。

でも作った装置にこんなにみなさんが興味を持ってくれるのはほんとに嬉しかったです。
これでいちおう5年分の院生生活の義理は果たせたかな。あとは論文を出せば、堂々と卒業できます。


トークがおわった後は、夕方から、逃げるように山にあがって、夜中は山頂作業(観測ではない)をしました。
ゆうべほとんど寝ていないので、待ち時間はほとんど寝てましたが。。。今日は空はとても晴れて
シーイングも良いのに、地表付近の湿度が高くてドームが開けられないという嫌な日でした。
夕陽と雲海は素晴らしかったけど。4時頃山頂を出て、5時過ぎに家に帰りました。



そういや山頂で、うわさには聞いていたあの「生命維持装置」を初めて目撃しました。



2006年9月13日 (水)  下弦

夕飯に、みんなで新しいタイ料理屋に行きました。夏巻き、カレー、炒め物などひととおり食べまし
たが、普通においしかったです。この小さな町でタイ料理屋は激戦地区になってきた感じです。

今日は夕方に山頂から(観測とは関係のない)トラブルの電話があったので、夕飯を食べたあとに山に
上がりました。トラブルはたいしたトラブルじゃなかったので、夜中過ぎにはヒロに戻ってきました。

今夜は昨日とうってかわって湿度1〜4%維持というすばらしい天気でした。天の川が濃く見えました。
前にも書いた気がするけど、夜に山に上がる時って、ほんとに天気輪の柱に向かって上っていくような
感じです。山頂のシルエットの向こうに銀河宇宙が広がって、遠くの眼下には小さな町(ワイメア)の
明かりがぽつぽつと見える。でもそこには銀河鉄道は走ってこない。夜半にでてきた下弦の月に
暗く照らされながら、並んだ望遠鏡たちががじっと空に向かって口をあけている光景は、しかもケック
から出たレーザービームが空の一点を射しているその光景は、美し過ぎて言葉で説明できません。。。

2006年9月14日 (木)  z=7

すばるで赤方偏移(z)が7(128億2500万光年)の銀河発見のニュース。いちおう史上最遠記録
なのでネイチャーに載って話題に。正確にいうとz=6.96なんだけど一般向けには四捨五入でz=7と
いうことで、ついに7の壁を破ったか、という感じはする(破ってないけど)。
zが大きいほど遠いという意味なんだけど、この赤方偏移7というのは可視光で観測できるほんとにぎりぎりの
ところ。それより遠い天体は私たちの赤外装置の出番。z>8もすばるで見つけるぞ!

ちなみに以前に勃発したz=10発見説はいまだにはっきりせず。最近また新たにz=10発見ネタも
出たけど、それも淡すぎてだいぶ怪しい。こうなるとやっぱり口径の大きな望遠鏡が欲しくなるよなぁ。

たまたまだけど、先週のタイム誌は表紙とともに、R.エリスが書いたアメリカ30m望遠鏡の宣伝記事。
スーパーのレジ横にあったのでついつい買ってしまった。ハッブル宇宙望遠鏡の後継機のJWSTと
合わせて、またかつてのハッブル+ケックの最強タッグように、いいとこを全部もっていかれてしまうのか。
日本は、チリのアルマ(電波)望遠鏡以降の具体的な予定はまだない。10年後の地上からの光赤外線天文学
のために日本もちょっとなんとかしましょうよ、という声をあげるべきなのはもう私たちの世代なのかも。

おとといのトークをいろんな人が聞いてくれた影響で、外国機関からのその装置を使わせろという圧力が
あからさまにかかってきた。他に代わる機能を持った装置が世界のどこにもまだないので、外国機関からの
使用要請圧力がとても強い。しかもいろんな契約上、使わせないということはできない。だけど、日本が
作ってきた装置だし、日本のユーザーにまず使ってもらっていいサイエンスをしてほしい、ということで
上層部も対応に慎重になっているようです。

今日も夜8時くらいにヒロを出て山に上がる。夜中3時くらいまで作業。

2006年9月15日 (金)  プレミアカード

プレミアがついていたらしいスターバックスのハワイ柄プリペイドカード、必要以上の持ち帰りを
防ぐためにカウンターにはサンプルが置いてあるだけだったのが、今日行ったら、未使用カードが
持っていけと言わんばかりにどさっと置いてあった。これじゃプレミアにならんなとは思いつつ数枚
キープ。(おばちゃん根性のはじまりかなぁ。。。)いつかプレミアがついたらオークションに出すかな。

2006年9月16日 (土)  

ひさしぶりに町のあちこちを巡回。モール内にあった布屋さんが春に閉店してしまったので、今まで使った
ことのない大通り沿いの倉庫のような布屋さんに行ってみました。量はすごいけど並べ方が雑だしちょっと
ホコリっぽくていまいち。副資材はまあ他のとこよりはあります(ユザワヤとは比べものにならないけど、、)。
リネンやリボンを少しだけ買ってしまった。どうせ縫う時間ないのに、つい買いためている。。。

スーパーでついに梨が登場。うれしい。しかもなぜか半年くらいは出回り続けるので、梨好きにはうれしいです。

2006年9月17日 (日)  移動遊園地

今週末は移動遊園地が来ていました。

夕飯はお客さんとピザを食べに行きました。お客さんをホテルに送ったあと、ちょっとだけ移動遊園地
を見に行きました。ワインでだいぶ酔っていたので、乗り物には乗りませんでした。なんかちょっと
遊戯の数が減ったような。



2006年9月19日 (火)  マドンナ

今日は久々に昼間の山頂作業でした。秘密ミッションも並行で承っているので合間にもにょもにょと作業。

マドンナが来日中なのか。行きたかったなぁ。前回の13年前の日本ツアーは高校の時で、ワールドツアー
最終日の東京ドームに行きました。

帰りにアイスでも買おうと思って何ヶ月ぶりかでセブンイレブンに寄ってみた。そしたら、日本のお菓子が
大量に並んでいてびっくり。前はポッキーだけだったのに、きのこの山、たけのこの里、小枝、アポロチョコ、
いちごポッキー、抹茶ムースポッキー(でもパッケージが一つ前の世代のやつ)。つい目がキラリんとして
大量に買ってしまった。。そして真夜中にポッキー食べながらマドンナのライブDVDを見て少し元気になる。
太るなぁ。。。

2006年9月20日 (水)  説明

昨日、日本のアマチュアが超新星を発見して最多発見記録、というのがニュースになっていた。
それと先週の宇宙最遠銀河の発見ニュースって、普通の人から見たら同じようなもんなのかな。

今日は文部科学省ナンバー4という議員さんが視察ですばるオフィスに来ました。あいにく学会中で
研究系の人が少なかったせいか、研究者との懇談会になぜか私まで呼ばれました。
えらく気さくなおっちゃんで、ちゃんと全部メモをとって、覚えも良くて、ちゃんと名前を呼んで
次々と無邪気な質問を繰り出していました。なかなか面白かった。
別にここで頑張ったからといって来年予算が増えるというわけでもないらしく、気楽な懇談会でした。

2006年9月21日 (木)  ミクロワールド

炭素でできたシートに描いた、水性ペンの線(左)と、油性ペンの線(右)。倍率は500倍。
写真の幅がだいたい0.4ミリメートルくらい。



2006年9月22日 (金)  ポータブル酸素供給器

Solar−Bが無事に打ちあがった。お札のおかげか。

今日も終日山頂作業でした。新補償光学(レーザーで人工の星を打ち上げるやつ)が立ち上げ期で、
最近は早朝から夜の観測開始ぎりぎりまでたくさんの人が山頂で作業をしています。最近山頂では、
ポータブルの酸素供給器が次々と投入されて、小さいショルダーバッグみたいなのを下げて、そこから
透明チューブを鼻の下にのばして、数秒おきにシュッシュッと酸素を吸っている。これが以外と楽ちんで
頭も冴えるし、ヒロに戻ってからも疲れが軽くなるらしい。けっこうな数の人が使っている。
酸素補給はこれまでは酸欠でよっぽど体調の悪い人への対症療法で、そういう人は早めに高度を下げて
(山から下ろして)という感じだったのに、いつのまにか高所で長時間、快適に仕事をするためのアイテム
がでてきた。

夕方は、すばるを去る方々の送別会でした。おとといの文科省議員さんとの懇談での、私のズレた発言
が後からも話題になっていたと聞いて、自分で自分が情けなくなりました。

2006年9月23日 (土)  朝晴れ

ファーマーズマーケットへ出撃前。今朝はよく晴れていた。マウナケアの望遠鏡もよく見える。



クルーズ船は朝やってきて、夜に出航する。



ちびドリアンとちびパイナップル。数日前、日本では通報されるほどの異臭騒ぎになったらしいけど。。。



2006年9月24日 (日)  ちょっとかわいすぎるかな



先日オープンしたイミロア天文センターのレストランに行きました。星のかたちをしたフレンチフライや
星型にくりぬかれたメロンとか、細かいところも凝っていて、味もおいしく、量もたっぷり。多少高いけど
ジュースやクッキーまでセットになっていて、なかなか頑張っていたと思います。頑張りすぎずに続くといいな。
まだいろんなメニューがあるので、あと何回かは食べに来ようっと。

2006年9月25日 (月)  趣味が楽しすぎる

なんだか、本業でない仕事が多すぎて、本業が破綻してきているような。。。
つまり、趣味に走りすぎて、仕事をしていない。
あちこちでいろんなことやりすぎて、首がまわってません。

今日の夜は、ぶっつづけで4時間半のテレビ会議でした。向こう(三鷹)は50−60人いたらしい
けど、ハワイも普段より多い8人ほど集まって盛り上がって意外と面白い展開に。まあこれも趣味だけど。

2006年9月27日 (水)  ううむ。

今日の夜はまたまた趣味の会議。短い発表をした。内容の準備はぎりぎりまでかかった。でも反応は
特になし。言う場所を間違えたかな。発表準備には時間はかかったけど、日本語だと準備が圧倒的に楽〜。
あぁ、言い逃げにならなきゃいいけど。。。




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