Hawaii Diary



Glanced Blue

2005年7月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            


2005年7月2日 (土)  ディープインパクト前日リハ

今日はいよいよ前日リハーサル。ヒロでは、大型プラズマディスプレイで
ハイビジョン中継、その隣のテレビでNASAテレビ(インターネット配信
してるもの)を同時に映すテスト。所内のほかのネットワークを制限して、
中継が途切れることのないようにするのだけどいざハイビジョン映像が転送
されるとネットワークが競合してNASAテレビが固まったり。
山頂ではハイビジョンカメラでの追尾が始まっていたけど、本番と同じ
19時52分にはヒロまで画像が届かなくてやきもき。そのすぐ後で画像も
ちゃんときた。けど、まさにその時間にどのくらい空が明るいかはちゃんと
わからなかった。窓の外を見た感じだとまだ明るいような気がしたけど、、
薄明終了直後だけど天文薄明中らしい。
少し露出時間を長くしてやると彗星は比較的ちゃんと見える。でもやっぱり
もやもや感が。

2005年7月3日 (日)  ディープインパクト成功!

無事にぶつかりました。すごいすごい〜。

すばるのハイビジョン画像はやっぱりぱっとしなくて、NASAテレビで子機の画像が
どんどん彗星に近づいてクレーターがどんどん大きく迫ってきて、次の瞬間にNASA
の管制塔でわーっと歓声があがったのを見て、ああぶつかったんだな、とわかりました。
実際には地球との通信時間差が7分くらいあったはず。
衝突後の親機からの映像は、シミュレーションで見たのと同じように塵が飛び散ってて
かなり明るくなっていました。そのあと、すばるではすぐに中間赤外カメラに切り替え
ました。画像をみたら前日より明るく広がっているのが見えました。

軍事力として考えると恐ろしい気もしました。地上・地球軌道上にあるもののみならず、
遠い宇宙空間を飛行する(惑星とかに比べたら遥かに)小さな物体に正確に当てる
わけだから。。。技術としては戦争でやってることの延長線上にあるわけよね。

  

中継をしたすばるのヒロオフィスも、大部屋からあふれるくらい家族連れがたくさん来ました。

2005年7月4日 (月)  あの夏の花火

今日は独立記念日の恒例花火大会でした。オフィスの2階のベランダから見ました。
ここ数年の中では一番ゴージャスだった気がします。大きいのが途切れなくふんだんに
打ちあがっていました。とってもきれい。
すばるオフィスの前は有名な見物ポイントで今日もたくさんの人が来ていましたが、
どこかから特大ボリュームでBGMを流してる人がいました。打ち上げ開始と同時に
「スターウォーズ」で始まり、アメリカの古典的ロックメドレー、最後は国歌で
しめて、花火と同時に終了。あれは花火大会側がさしむけた演出だったのかな?
ハワイは夜になるとかなり涼しいので、納涼って感じは全然なし。

2005年7月5日 (火)  うーむ。

天体の軌道に影響を及ぼしたからといってNASAを訴える占星術家。
よくよく考えると奥が深い、、、かも。

2005年7月6日 (水)  日経サイエンス

最新号の日経サイエンスに、3ページにわたってさこー君のネタ記事が。しかもその記事の
3分の2は「大学院生が作った観測装置で世界トップレベルのサイエンスができた」という
ことを説明・評価するのに費やされている。こういう雑誌にしては珍しいかも。

「学生エンジニアによる開発は機動力に富むうえ、低コストだ。(中略)おそらく欧米の
開発費の10分の1程度で済んでいる」。うんうん。うちはその装置のさらに3分の1以下の
コストで期間も半分程度。こういう体勢は日本独自なのです。しわよせがすごいけど(笑)。

2005年7月9日 (土)  アストロE2

無事に打ち上げおめでとうございます。5年はとても長かったろうな。
学部のときはアストロEの機器開発をやっている研究室にいたので、ひとごとでなく嬉しいです。
「X線天文学といえば日本」の意地をみせて頑張って欲しいと思います。

今日はちょっと勇気をだした記念の日。しばらく様子みて、嫌がられるか飽きるかしたらやめるかも。

2005年7月11日 (月)  ちびハート

去年のクリスマスに大家さんのおばさんからもらった小さな鉢植えには、何種類かの葉っぱが
寄せ植えされています。そこに先週からハート形の葉っぱがでてきました。普通の葉っぱなん
ですが、以前、この枝にはもっとぎざぎざした葉っぱがはえてたはず。
キッチンの窓際でいっぱい陽をあびてすくすくと育ち中。



2005年7月12日 (火)  だらだらテレビ

日テレとかフジがテレビ番組をネットで配信、というニュースがあった。まずは15分100円。
いずれは広告収入も入ってもっと安くなるだろうし、海外組にとっては嬉しいニュースかも。
CMつき歓迎!
すばるの人でも、日本の実家にサーバーつきパソコンを置いて、DVD録画したテレビ番組を
ハワイで吸いあげて見てるという人がちらほらいます。
番組だけでなく、CMも、CMこそ見たかったりします。たまに日本でテレビをみると、CMも
じーーっと見てしまう。CMを通して今の日本が見えるというか。それと、夜中にやってるような
くだらない番組をだらだら見たい。先週、「タモリ倶楽部」をひたすら録画したDVDをみせて
もらって、「空耳アワー」とか久しぶりにみていっぱい笑いました。でもタモリ倶楽部を15分
100円払って見たりはしないだろうなぁ。

2005年7月17日 (日)  モロカイ初上陸

昨日はモロカイ島へ行ってみました。端から端まで1時間足らずで走破できてしまう小さな島でした。
渓谷の刻みはいちだんと深く、景色がきれいなところが多かったです。海がすっごくきれいでした。
交通費節約のため、マウイ島ラハイナからフェリーで行きました。




今日の夜は台湾のUちっくさんたちとお食事へ。マウナロアでの過酷な仕事続きで身体こわして
ました。それにしても、おそるべし理論屋集団の実験観念。がんばれCMB観測。

2005年7月18日 (月)  あおぞら散歩

先週末、ハワイ島で震度4.5以上の地震が3回もたて続けに起きたとニュースになっているん
ですが、わたしは一回も気づかなかった、、。津波の心配はない、と後から聞いた始末。むむ。
ロイヒ(ハワイ島のすぐ南の海底でできつつある次なる火山島)あたりが震源らしい。


マウイ島ラハイナでは天気もよくいい風が吹いていたので、パラセイリングをやってる人が
いっぱいいました。かなり高いところまで上がってすごく気持ちよさそう。次はこれだな!



2005年7月19日 (火)  バニヤンツリー

ゆうべ帰り道がかなりの範囲で交通規制されていたので、遠回りして帰りました。今朝そこを
通ったら、郵便局の前の公園にあるバニヤンツリーが1本、雷に打たれたみたいにバキバキに
折れていて、それをジャベルカーで切り崩していました。ハワイでは樹齢のある木は切らない
ことになってるので、なにごとかと思って新聞をみたら、ゆうべ突然倒れたそうです。原因は
書いてなかったけど。下を通っていた人もかろうじて助かったそうです。
19世紀のキング・カラカウアの頃からある歴史のある木だったそうです。老齢化してたのかな。

2005年7月20日 (水)  Call 911

今日は2年に一回のファーストエイド・トレーニングでした。出血、発作、窒息、低血糖症、
貧血、ショック、アレルギー、骨折、火傷、感電、などなどひととおり。どの処置も、最後には
「Call 911」すべし!と連呼するので、このトレーニングのおかげで911は忘れにくい。
CPRとAEDは去年やったので、今年はなし。だからだいぶ楽ちん。

2005年7月21日 (木)  赤外線で世界最高感度達成@すばる

これまでで最も深い赤外線の画像。MNWくんがずいぶん長いこと頑張ってたやつだね。
補償光学とか使ってるから解析も複雑だし、ほんとに「一番深い」と判断するまでが大変なん
だろうなぁ。27時間露出で25.7等。
結像性能では数段上のハッブル望遠鏡すら凌いで赤外線で世界最高感度を達成できたのは、
補償光学もそうだけど、望遠鏡も装置も検出器も解析も観測手法もほんとにたくさんの要素を
それぞれ最大限チューニングしていった結果なんだと思う。

2005年7月22日 (金)  FMOS始動

すばる次世代装置最大の目玉であるFMOSが今日から初の機能試験。なにしろ主焦点装置は
難しいので、今回はまず補正光学系性能とバランシングのテスト。それだけで1週間続くから
大変。装置スタッフも望遠鏡スタッフも三菱スタッフもみんな山頂で奮闘中。わたしはヒロで
ウェブカムをチェックしながら一喜一憂。がんばれー。

2005年7月23日 (土)  グリーンティー・フラペチーノ

スターバックスに日本から逆輸入メニューがきたのでさっそく飲んでみた。日本でも飲んだ
ことないからね。クリームなしで、って注文したのにクリームつけられた。かなり甘いけど、
まあまあかな。



2005年7月26日 (火)  Suttle returns to Space !

シャトルが打ちあがった。よかった。

乗り込んでからのやり直しは本当に大変だったと思う。タフな飛行士たちでさえも大変だけど、
ご家族のみなさんのほうが精神的には大変だったと思うな。これが万起男さんだったらもう大変よ(笑)。

故障したセンサーにまつわるNASAの経験や判断や周囲の人間の反応は、すばるでやっている
こととほんとに同じ。悲しいほどに同じだけど、そこに人命がかかっている判断の重さは想像が
つかない。あの悲劇のあとで2年半という復活時間は驚異的だけど、直感的に2年半は早過ぎる
気もする。一方で老朽化して先が見えている船に施せることもかけられる時間も限りがあるのも
理解できる。

2005年7月28日 (木)  初当たり!

やむをえない緊急事態により今週末の観測時間が所内公募になって、普段は院生は応募できないし
いろいろ制限もつく所長裁定時間がタダでどーんと夏の大セール。ちょうど次の観測の準備で
足りないデータがあったのでとっさに応募したら1時間だけ観測時間当たりました!
1時間?って思うかもしれないけど、すばるの1時間はすごいよー。

2005年7月29日 (金)  軌道上

夜中に帰ろうとしたら、ネットのNASAテレビでシャトルの船外活動中継が始まって、おもしろく
なってついつい4時間近く見てしまいました。余計な雑音がなく、淡々とやりとりしてて緊張感が
すごく伝わってきました。たまにコリンズ船長(NASA最初の女性パイロットにして現在唯一の
女性船長。この人がまたバイタリティの塊のような人で、美人で、米空軍大佐。ミールとの最初の
ドッキングとかチャンドラ衛星を放出したフライトもやっている。シャトル復活フライトで船長
になるくらいのすごい人)と「そっちはどうよ」みたいな会話もはいってくるし、後ろに地球が
見えるし、たまにヒューストンから解説も入るしで、なかなかおもしろい。
面白そうなところはストリーミングを録画してみた。聞き取り練習。

2005年7月30日 (土)  1時間

1時間の観測ついでに雑用をかねて午後から山へ。週明けに愛地球博との中継イベントがあるらしく
専門家チームが3日もかけてリハーサルをやっている。すばるとしてもかなりの大舞台らしい。
夏休み最初の日曜日で、むこうのモニタにはたくさんの人が映っている。
観測自体は無事におわって、ラ王でいっぷくして夜中にはヒロへ戻る。今夜の山頂は気温6度、湿度3%。




とうこくちひろのハワイ日記
アメリカ・ハワイ州ハワイ島ヒロより
ハワイマップ
ギャラリー
リンク
ホーム
メールはこちら