Hawaii Diary



Sunset from Subaru Dome

2005年1月
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2005年1月1日 (土)  「年越しちゃった蕎麦」食べました

今日から日記の形式を少し変えてみました。

真夜中、オフィスで大停電発生。50分くらい電気が完全に
止まりました。非常用電源も切れてきて、装置が死ぬかと
思いました。ヒヤヒヤ (@_@;)

2005年1月2日 (日)  ツケが一度に、、、

今年、確実に予想される山場は4つほど。
考えただけで今から気が重い。うー、やだやだ。
ひとつひとつ丁寧に全部クリアすることが今年の目標かな。

2005年1月3日 (月)  この年になって

おはずかしい話ですが、今さら初めて天体画像をぼちぼち
さわりはじめました。が、さっぱりわからん。
ある程度やれば勘がつかめると思うのだけど...。なんせ
時間がないのです。

2005年1月4日 (火)  リサイクル

1月1日からボトル・デポジット法が施行されて、払い戻し
センターはオープン初日の昨日から、1時間待ちの長蛇の列
らしい。お金にならないとリサイクルしないというのはちょっと
あれけど、これでかなり回収率は上がるだろうな。大事なのは
ちゃんと採算がとれて、ちゃんとサイクルの輪がまわり続ける
ことだから。

2005年1月7日 (金)  ハザード

今日、「ハザード・コミュニケーション・トレーニング」と
いうのがありました。手旗信号でもやるのかと思ってわくわくして
出席してみたら、危険物取り扱いに関するジェネラルな
トレーニングでした。なーんだ。

2005年1月9日 (日)  Tsunami Relief

スーパーのレジでスマトラ津波募金をやっていました。レジで
「ツナミ募金に10ドル!」とか言えば一緒にお会計できます。
簡単なので募金してみました。レシートをみると、米赤十字に
すいあげられるらしい。

1月に入ってからも山の上は断続的にけっこうたくさん雪が
降り続いて観測が中止になってばかり。今週は一人で2回
山にあがる用事があって、水曜日には装置も山に輸送する
ので、ちゃんと晴れるといいな。標高の高いところで一人で
タイヤのチェーンをつけるのは大変だからね...。

2005年1月10日 (月)  山頂は雪、ヒロは雷とどしゃ降り

「ネズミが、人と猿以外では初めて、言語識別能力があること
がわかった」らしい。しかも、日本語とオランダ語を識別!!
わたし、オランダ語わからないよ。

2005年1月11日 (火)  雪かき隊に名乗りでたいが、時間が全然ない



今日の山頂(写真は左絵子さんからいただいたもの)。
すばるドーム下の、装置搬入用のシャッターの内側にも雪が
ふきだまっていて、さすがに明日の装置輸送は無理。真空のまま
運ぶし、トラックに積んだまま立ち往生するのだけは避けたい。
いろいろなスタッフのみなさまよろしくお願いします。

マウナケア・レンジャーも、夜明け前からひたすら道路の除雪を
してくれます。山頂にある13の望遠鏡を一晩たりとも無駄に
しないよう、ぎりぎりまで頑張ってくれます。
「今、○○望遠鏡までの道が通れるようになった。○○望遠鏡
の道は開通まであと1時間。」などなど刻々と除雪状況が届きます。
すばるのスタッフはハレポハクで待機して、道が開くとすぐ
に出動し、まずはドーム屋上の雪かきをします。道が開いて
夜に晴れても、ドームが雪で開かなかったらどうしようもない
からです。雪がすごいので、オフィスでは雪かき隊増員を呼び
かけています。みなさま本当にご苦労さまです。

車で1時間半離れたヒロは、今日も常夏。昨日の嵐の後で、うちの
前のヒロ湾には朝からサーファーがいっぱい。

2005年1月12日 (水)  おわらん



きょうのすばる。左絵子さんの写真。空の色がふかい。
ドーム屋上から雪降ろし中。命がけの作業。

今日はやっと晴れて、山頂は雪かき日和。わたしたちの装置の
ために、ほんとに大勢の方々が、ドームまでの坂道の雪を
とっぱらってトラックが安全に通れるようにしてくれました。
標高4200mの雪かきはほんとに重労働です。
#私も以前にやったのでよくわかります。
同室の「王様」もボランティアで行ってくださっていて
驚きました。というわけで、みなさんのおかげで明日、
山頂輸送です。
でも、、その前までに終わらせるつもりだったいちばん肝心の
私の仕事がまだおわらなくて、泣きそうです。
あせりと緊張で、夕方からすごーく気持ち悪くなってきた。
がんばらないと...。

2005年1月13日 (木)  雪原のある南の楽園

ゆうべは帰れずに、朝方ちょっとうたた寝してから、顔も洗わず
山へ(情けない...)。眠気もふきとぶ素晴らしい雪景色でした。
マウナケアもマウナロアも、上のほうが真っ白で、雪を冠る
と断然「名峰」っぽさがでてきます。すっきり型の4200mが
二座並んでいる姿は、壮観!今日は雪遊びに来た人で車がいっぱい
でした。そしてみんながみんな、トラックの荷台に山盛りに
雪を積んでおみやげにしていました。子供たちも喜ぶだろうな。

未舗装道路より上は、路面にまだまだ雪がいっぱいあって、
一般向けには閉鎖され、レンジャーが番をしていました。
こ こ か ら 先 が す ご い 景 色 な の に !
というちょっと優越感。
(各観測所の車には正式なロゴがついていて、そのロゴが
ついている車だけ、山頂への道へ通してくれます。)

チェーンしないで行きましたが、四駆ならぜんぜん怖くない
程度でした。とは言え、かなりの低速安全運転。風が猛烈でした。
圧雪の上に立つとすべって飛ばされそうでした。
帰りは凍ったら危ないので早めに降りました。夕日が沈む雪原の
むこうに、常夏のコナの海が見えました。



2005年1月14日 (金)  節水

また家に帰れないまま、今日も山に上がりました。
山頂の望遠鏡群に水を運搬する会社がストライキとかで、
山頂は少し節水モードでした。

元旦に、「今年の目標はカップラーメン・ゼロにしなさい」
と言われていたのに、もうさっそくいくつか食べてしまいました。
特に、山頂では暖かい汁モノで体もほっとするので、ついつい。
でも今日は節水モードだったので、さすがにラ王(いったん
麺をゆがいてそのお湯は捨てる)はまずいと思って、普通の
カップラーメンにしました。お茶も節約するために(でも乾燥
してるので水分はいっぱい取らないといけない)、ハレポハクで
大きなコップに並々とジュースをいれて山頂を目指したのですが、
未舗装道路を走り始めたら車が揺れて、ジュースはどばどばと
こぼれました。うかつだった...。仕方なく車をとめて、その場
で半分くらい飲むはめになりました。とほほ。

話はとぶけど、Mac mini 欲しいな〜。

2005年1月15日 (土)  水が...

今日は午後に少しだけ山に上がりました。週末でしかも天気が
よかったので、雪遊びの人がたくさんいました。小さい子も
たくさんいました。4200mの雪原で、海水パンツ&ボディボード
で遊んでるし...。せっせと降りる車もいたけど、割合くらいの人
が高山病で気分悪くなるんだろうな。

山頂は水が大変でした。
ことの始まりは、先週、雪がたくさん降って、水の配達の日に
業者が山にあがれず、雪かきをして道が開通したら今度はその
業者がストライキ。それに追い討ちをかけるように、昨夜、気温
がすごく下がったせいで水道管が凍結→破裂→水があふれた。
というわけで、ただでさえ節水しているときに、何百ガロンと
いう大量の貴重な水がなくなってしまいました。
そこで、飲用水はヒロからペットボトルを大量に運び、トイレ用
には雪どけ水を使うことになり、バケツに雪をいっぱいためました。
週末の朝からスタッフの方々が頑張ってくださいました。
コンピュータ室の加湿器用の水も重要です。山頂は湿度がとても
低いので静電気で故障がおきやすくなります。この加湿器に1日
320ガロン(1200リットル)もの水を使っているそうです。
加湿器も携帯用に切り替えて、雪水をせっせと入れました。

そうそう、それと、昨日くらいからESA/NASAの探査船
ホイヘンスが土星の衛星タイタンに着地していろいろニュースに
なっていますが、それにあわせて、NASAは地上からも
すばる望遠鏡を使ってタイタンの大気を観測しました。
雪で準備が困難だったこの一週間、NASAスタッフは一生懸命に
装置の準備をし、すばるスタッフも一生懸命サポートしていました。
両者頑張ったかいがあって、雪の後で天気に恵まれ、いいデータ
が取れたみたいです。
その装置を見せてもらいました。実験室の光学実験台にいろいろ
部品をならべたのを台ごとゴロゴロ運んできて置いただけ、みたいな
すごーくシンプルな装置でした。

2005年1月16日 (日)  おわらんおわらん!

今日でおしまいにするはずの仕事が、さいごのさいごでまた困難
あらわる。もう毎度必ずだから、こっちもそんなの慣れっこさ。
とはいえ、情報収集と確認でまる一日かかってしまい、山頂でやら
ねばならない仕事ができず。でももう後がないので、確認がおわった
後、夜に山頂へあがり、観測してる横で仕事をさせてもらいました。
ゆうべから全然寝てないんですけど...。

2005年1月17日 (月)  とりあえずのところまで

朝5時半まで山頂で働いて、素晴らしい朝焼けをみながら7時に
ヒロに戻って、そのまま図書室のソファで3時間きおくそうしつ。
起きてまたすぐに山頂にでかけ、ラストスパート。おわったー。
今日こそ家に帰って寝られる(5日ぶり...)。

今日は祝日だったらしい。
山頂に、水5000ガロンが配達されたので、もうあんしん。
ゆうべまではトイレで流すたびに、次のためにタンクに雪水を
せっせと入れていたから...。



すばるのラウンジから見た外の様子。雪をどっさり持ち帰ろうと
するトラックあり、ソリ遊びからひきあげる親子あり。むこうに
見えるのは左手がコハラ丘陵とノースコナの海(カワイハエあたり)、
右手がワイピオ渓谷。そして正面、海のむこうに見えるのは、
お隣マウイ島のハレアカラ山。

2005年1月18日 (火)  アメリカ人のセンス

山頂のラウンジに、笑ってしまうくらい巨大な袋に入ったプレッツェル
が置いてありました。遠目にみてペットフードかと思いました。
お得用パックとかの域を超えた、すっさまじい量。エサだよ、こりゃ。
こういうところにアメリカ人のセンスのなさを感じたりするのよね。

今回の液体窒素見張りは観測所側が半分手伝ってくれるので、私は
見張り番なし!っていうか、他にやること山ほどあるし。
ということで、数日は山とおさらば!
あーでも、ほんとにどんなに毎日でもどんなに疲れてても、山頂の
景色はちっとも飽きないんですよね。



そういや、数日前にNASAが打ち上げた「ディープ・インパクト」って、
ネーミングセンス的にはどうなの?映画そのまますぎやしないか?
それをユーモアとするかセンスなしとするか。
そのうち有人彗星探査機「アルマゲドン」とかでてきたりして...。

2005年1月19日 (水)  オリオンよろしく!

最近、ふと夜空を見上げると正面にオリオンが高くのぼっています
(日本よりも高くのぼります)。
来週の観測ではそのオリオンを練習台にします。1月に日没とともに
ほぼ南中する明るくてわかりやすいエリアということで選んで、
昨年9月の観測の時に(その頃は夜明け直前にでてきていました)
プレ撮像しました。さあて、うまく実験できるといいなー。

2005年1月20日 (木)  遠方というのはあくまで現時点での技術でもって見える最も遠くのあたりということで

昨日から三鷹でやっている、すばるによる銀河形成進化WSにテレビ会議
で参加しました。これだけじっくり超遠方銀河について最新ネタ満載
で話が聞ける機会はなかなかないので、とても勉強になりました。
それだけ、すばるでも結果がでてくるようになったということかな。
すばるができた頃(私が大学院に入った頃)は、z=3銀河なんて指で
数えるほどしかなかったのにねぇ。

2005年1月21日 (金)  正しければいいというものでもない

「純粋な者が純粋さを見るところに、豚は汚れを見る。」
アインシュタイン

2005年1月22日 (土)  早起き族

夜明け前、オフィスにでかけるついでにファーマーズマーケット
に寄って果物を買いました。いつものことなんですが、暗がりの中、
あちこちで開店準備してる時分にも、既にあれこれ買い物をする
おじいちゃん・おばあちゃんがけっこういます。懐中電灯を持って
照らしながら物色してる人もいれば、暗い中で選んでいる人もいる。
そこまでして今、買わなくちゃいかんのか?30分後じゃだめなのか?
などとつっこみたくなります。が、わたしもその一人だったりして。
結局パパイヤを買ったのだけど、すぐに食べたかったのでなるべく
おしりまで黄色いのを選んだつもりだったのに、明るいところで見たら
まだちょっと青いやつでした。やっぱり暗がりで買い物するのはよくない!

今日は朝から晩まで、観測の打ち合わせ&お勉強会でした。画像解析
は難しいなぁ。おおざっぱな私の性格には合わないのだな。

2005年1月24日 (月)  ぎりぎりまで準備

今日から山です。ヒロでぎりぎりまで観測の準備をして、昼から
山にあがって、観測が始まるぎりぎりの時間までドームで作業してから
急いでハレポハクまで下山。夜は明日からの観測に備えてミーティング。
分光は初めてなので、手順についてあれこれと議論。やってみないと
わからないことだらけだけど、やる前にいろいろ想定しておかないとね。
時差調整もあって朝方までわいわいとおしゃべり。
今週は天気よさそうなので、観測楽しみだ。

ところで、ついにハッブル宇宙望遠鏡は2007年廃棄が決まったらしい
ですが、次のジェームス・ウェブ宇宙望遠鏡までの中継ぎ的宇宙望遠鏡HOPで、
日本が総力をあげて作る予定の可視広視野カメラ(VWFI)がいよいよ現実味を
おびてきました。来週リリースされる100ページにわたる企画書をちらっと
見せてもらいました。
今回は時間勝負ということで、大学レベルではほとんど参加不可能、
でも宇宙観測機器に携わる日本の大・小企業が総力をあげてNASA
に挑むって感じですごいわくわくします。
光学系のG社や熱制御のO社、検出器はすばるのスタッフも数名+H社で、
クライオスタットはすばるの装置も作ったS社とかとか。これだけでも
「うわー日本がんばれー!!」と思ってしまう。一度は宇宙望遠鏡の装置も
やってみたかった私としては一生に一度の大チャンスを逃しつつあるのが
残念だけど、超応援してます!!

ところで、ハッブル望遠鏡はバッテリーやジャイロスコープがまず
イカれてくる予定らしいのですが、それでも撮り続けたらなんか
おもしろいものが映ったりしないかな。それにしても、ACS(カメラ)
とか新しいのにもったいないなー。っていうか、打ち上げ待ちの装置
もあったらしい。作った人はつらいだろうなぁ。

2005年1月25日 (火)  順調!

夕方早めに山にあがって観測準備。初日はやっぱりバタバタします。
でも天気がよくて、シーイング(空気のゆらぎ)もよくて、順調でした。

2005年1月26日 (水)  初分光

初めての分光に成功しました。スペクトルがきれいにでました。



2005年1月27日 (木)  初もす

で き た ! で き て し ま っ た !
作った本人も、チームメンバーも、今日「もす」がうまくいってしまう
とは正直、思っていませんでした。あれこれ手計算して視野を確認して
いるうちにオリオンが沈む時間がせまってきましたが、最初のいっぱつで
スリットに天体がのってしまいました!すごいすごいすごい〜。
ビギナーズラックだ!ということで、ほとんどまぐれだと思いますが
いちおうそれらしいスペクトルができてしまいました。



今日は夜中、動作確認のために何度もドームへ行きました。月明かりの中、
巨大なドームが音もなくぐるぐる回って星がうごき、望遠鏡が音もなく
傾いてすぐ手が届きそうなところに8メートルの主鏡が見えて、
すごく感動しました。

2005年1月28日 (金)  観測終了!

観測終了!天気は完璧!この時季に3日も続けて晴れたうえに、
シーイングまでよい(=空気のゆらぎが少ない)ことはめったに
ないと、いろんな人に言われました。日頃の行いですな。

写真は、観測が明けた朝、雲海に映るマウナケアの影。



2005年1月29日 (土)  のんびり

何ヶ月ぶりかで、やっと休息。
朝からコナに行ってのんびり遊んでおいしいものいーっぱい食べました (^-^)



2005年1月30日 (日)  秋と春が同時に...

1週間くらい前、家の前の木の葉が妙に赤いなぁ紅葉してるのかなぁと
思っていたら、山から戻ってきたら落葉してました。今が秋かい!?
確かに、一年で一番寒い時季なのかもしれないなぁ。とはいえ、
ヒロの平均的な最低気温は19℃、最高気温は27℃、ほとんど差
がないのだけども...。
ところが昨日、ワイメア(標高1000メートル)を通ったら、「桜祭」と書かれた
旗が何本もたっていて、そこらじゅうに濃いピンクの桜(梅に見えたけど...)が
咲いていました。ヒロよりも寒いはずのワイメアでは春が...。

よく言われている話ですが、この小さなハワイ島には世界の13気候区分の
うち11気候区分(氷雪とサバナを除く)が全て揃っているそうです。
ちなみに、山頂はツンドラ気候だそうです。

2005年1月31日 (月)  山頂は再び雪

こないだ山頂で思ったのは、山頂ではお茶がおいしい。ヒロと山頂で
同じ緑茶のティーパックを飲んでみても、山頂で飲むほうがおいしい。
これまでは、ただ山頂は寒くて空気が薄いから体がほっとするだけだと
思っていましたが、山頂にはポットがないので保温器のようなもので
ただ水を温めているのと、それでなくても水の沸点が低いのとで、緑茶
を入れるには好条件がそろっているのではないか、という結論。
なるほどー!




とうこくちひろのハワイ日記
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